自作NAS入門|TrueNAS・OpenMediaVault・XigmaNASの違いと選び方を解説

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大切な写真、動画、ドキュメント。それらを安全に、自由に保管したいと思ったとき、多くの人はクラウドストレージや外付けHDDを選ぶだろう。でも、もっと自分らしく、もっと自由にデータを管理したいなら、自作NASという選択肢がある。手持ちのパーツや中古PCを活用して、自分だけのストレージサーバーを作る。そこには、ただ便利なだけじゃない、ちょっと特別な楽しさがある。この記事では、自作NASにおすすめのオープンソースソフトを詳しく紹介しながら、どんなふうに「自分だけの小さなサーバー」を育てていけるかを考えてみたい。

自作NASにおすすめのオープンソースソフト

TrueNAS CORE

TrueNAS COREは、世界で最も有名なオープンソースNASソフトウェアの一つだ。FreeBSDベースで開発されており、最大の特徴は「ZFS」というファイルシステムを標準で採用している点にある。ZFSはデータの整合性チェック、スナップショット、自己修復機能、圧縮、RAID管理など、ストレージに求められる高度な機能を一手に引き受けてくれる。特にスナップショット機能は、万が一のデータ消失や改ざんに備える心強い味方だ。

TrueNASのWebベース管理画面は非常に洗練されており、ディスクプールの作成や共有サービスの設定も直感的に進めることができる。Samba(SMB)、NFS、iSCSI、AFP、WebDAVなど幅広いプロトコルをサポートしているため、Windows、Mac、Linux、あらゆる環境からアクセス可能だ。加えて、Jails機能を使えば、アプリケーションサーバーとしてNextcloudやPlexなどを同時に動かすこともできる。注意点としては、ZFSの特性上、メモリ使用量が多く、公式には最低8GB、できれば16GB以上のRAMを推奨している。サーバースペックに余裕がある場合は、安心しておすすめできる本格派だ。

OpenMediaVault(OMV)

OpenMediaVaultは、Debian Linuxベースで開発された軽量なNAS向けオープンソースOSだ。特徴はシンプルな構成と低いシステム要件。古いPCやミニPCでも十分に動作するため、「まずはお試しでNASを作ってみたい」という人にも適している。

標準機能だけでも、Samba/NFS/FTP/SSH/rsyncなど一般的なファイル共有機能を備えており、さらにプラグインをインストールすることで、Docker、Nextcloud、Plex、Transmissionなど、多彩なサービスを追加できる。管理画面はTrueNASに比べると素朴だが、直感的で迷いにくい設計になっている。また、ソフトウェアRAIDの設定やSMART情報の監視もGUIから簡単に行えるので、ストレージ管理の第一歩にもぴったりだ。

OMVの魅力は、柔軟さと軽快さにある。最小限の構成で動かしながら、自分の用途に応じて「あとから育てていける」自由さが心地いい。バックアップサーバーや家庭内ファイル共有から一歩進めたい人におすすめだ。

XigmaNAS

XigmaNASは、もともと「NAS4Free」という名前で親しまれてきたオープンソースNASソフトだ。こちらもFreeBSDベースで、家庭向けから小規模オフィスまで、安定性と軽快さを重視して設計されている。

インストール直後から基本的なファイル共有(SMB/NFS/AFP)機能はもちろん、FTP、rsync、iSCSI、UPnPサーバーなど、多彩なサービスが標準で使える。TrueNASほど重厚ではないが、その分システム要件も控えめで、メモリも4GB程度あれば十分に運用できるケースが多い。特に、古いPCを有効活用して、簡易ファイルサーバーを作りたいという場合には非常に相性がいい。

XigmaNASのWebUIは直感的で、設定ガイドも充実しているので、UNIX系OSに詳しくない人でも扱いやすい。最近ではZFSプール管理にも対応し、より本格的なデータ保護機能も利用できるようになってきた。堅実で無理のない運用を目指すなら、XigmaNASはとても頼もしい選択肢になるだろう。

Rockstor

Rockstorは、Btrfsファイルシステムをベースに設計されたLinuxディストリビューションだ。BtrfsはZFSに似た高度な機能(スナップショット、自己修復、圧縮など)を持ちつつ、よりLinuxカーネルとの親和性が高いのが特徴だ。特に、ファイル単位でのスナップショットや、システム全体のロールバックなど、Btrfsならではの柔軟なデータ保護機能は魅力的だ。

Rockstorの管理画面はモダンで、ストレージプールや共有ボリューム、スナップショットの作成・管理が非常にわかりやすい。また、「Rock-ons」と呼ばれる拡張機能を使えば、Nextcloud、Plex、BitTorrentクライアントなど、さまざまなアプリケーションをワンクリックで追加できる。

注意点としては、Rockstorは商用版の開発も並行しているため、オープンソース版はやや更新頻度が不安定な時期があること。加えて、ハードウェア構成によってはBtrfs特有の相性問題が出る場合もある。ただ、それらを踏まえても、「Linux×Btrfsで最先端を攻めたい」と考えるユーザーには、非常に魅力的な選択肢となる。

自作NASを作るときに考えること

ストレージだけでなく、CPU、メモリ、電源ユニット、ケースの選択も重要になる。常時稼働を前提にするなら、省電力性と静音性を重視したい。また、HDDやSSDはNAS向けモデル(Western Digital RedやSeagate IronWolfなど)を選ぶと、耐久性やエラー訂正性能が高く、安心感が違う。NASはネットワークで使うものなので、ルーターやLAN環境にも目を向けたい。特に、外出先からアクセスしたい場合や、大容量の動画データを扱う場合は、有線ギガビットLANをしっかり整備しておきたい。さらに、外部公開を設定する場合は、必ずSSL証明書を適用し、ポート管理や二段階認証など基本的なセキュリティ対策も忘れずに行いたい。

まとめ

自作NASは、単なるストレージではない。それは、自分で作り、自分で守り、自分で育てていく、小さなパーソナルサーバーだ。オープンソースの力を借りて、必要な機能を選び取り、自分だけの世界を作る。その過程には、ただ便利なだけではない、ものづくりの喜びがある。TrueNASでがっしり守るもよし、OpenMediaVaultで気軽に始めるもよし。XigmaNASやRockstorで、自分好みのスタイルを探すのも楽しい。データを大切にしたい気持ちを、自分の手で形にしていく。そんなNAS作り、ぜひ一度体験してみてほしい。

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